第70回 人工知能セミナー(2016.2.22) 「マルチエージェント技術による社会システムの分析と設計」


主催: (社)人工知能学会
日時: 2016年2月22日(月) 13:00-17:05
会場: 東京都千代田区神田錦町3-1 オームビル地下1階
照会先: account@ai-gakkai.or.jp
定員: 50名
参加費: 正・賛助会員 6,000円
非会員 10,000円
学生会員 2,000円
学生非会員 3,000円

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本セミナーでは、講演者の方が使用する資料を当日CDなどの外部記憶
媒体で回し、各自ご持参いただいたPCにコピーしていただきます。
資料を希望される方は、PCをご持参くださいますようお願いいたします。
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概要

マルチエージェント技術は,人間を含んだ複雑なシステムの設計と分析のための技術として注目されています.こうしたマルチエージェント技術は,メカニズムデザインのようなシステムの設計に関する研究と,社会シミュレーションのような社会システムで起こり得る現象の理解・分析に関する研究のふたつの側面において,人間の意思決定を支援する研究がすすめられています.
本セミナーでは,マルチエージェント技術について最先端の研究や開発に携わっている著名な方々が,設計と分析の両側面から,マルチエージェント技術の概要や最先端の研究,応用例について講演を行います.社会システムを設計するためのマルチエージェント技術について理解いただくとともに,現実の人間社会を対象としたサービス・ソリューションを展開する上で,マルチエージェント技術の価値を感じていただく良い機会となっております.マルチエージェント技術に興味のある方は誰でも参加できますので,皆様ふるってご参加ください.

プログラム

13:00 – 13:05 開会のご挨拶


13:05 – 14:00 「マルチエージェントシステムにおけるメカニズムデザイン」

櫻井 祐子(九州大学大学院システム情報科学研究院 准教授)

概要:
メカニズムデザインは,複数の利己的な参加者(エージェントや人間)が集団として意思決定を行う場合,不正行為の影響を受けない等の何らかの望ましい性質を満たすルールを設計することである.近年,計算機科学と社会科学の融合領域として,マルチエージェントシステムの研究者らを中心に研究が行われている.本講演では,インターネットオークションやクラウドソーシング等,様々な応用事例を対象にした研究等を紹介し,メカニズムデザインの研究課題と今後の展開について議論する.


14:00 – 14:55 「マルチエージェントシミュレーションに基づく社会システムデザインの可能性」

服部 宏充(立命館大学 情報理工学部 准教授)

概要:
複雑化する人間社会に埋め込まれ運用される社会システムを適切にデザインする事は難しい.人々の行動は,テクノロジーや社会制度によって予想もしない変化を見せるものであり,それを適切に制御する仕組みを見出すことは容易ではない.社会に安定や効率をもたらす都市規模のシステムデザインに対して,マルチエージェントシミュレーションは有力な技術である.本セミナーでは,仮想の人間(エージェント)が織りなす相互作用の連鎖を基に社会の挙動を予測・評価してより良い社会の有り様を探り,未知の社会の建設を支援するツールとしてのマルチエージェントシミュレーションの可能性について事例を交え解説する.


14:55 – 15:10 休憩


15:10 – 16:05 「マルチエージェント技術を用いた交通シミュレーションの紹介」

雪島 正敏(株式会社 NTTデータ数理システム シミュレーション&マイニング部 部長)

概要:
NTTデータ数理システムで開発した汎用シミュレーションツール S4 Simulation Systemを利用し、株式会社NTTデータと共同で交通分野の技術開発のためのシステムを開発しました。このシステムは、リアルタイムの交通情報をもとに、将来の道路交通の渋滞をシミュレーションにより予測し、更に、その結果を活用することで、適切な交通量になるよう信号制御を行う先進的なシステムとなっています。本講演では、これらのシステムとその実環境における評価結果について紹介し、合わせて数理システムにおけるマルチエージェント技術の取り組みについて紹介します。


16:05 – 17: 00 「マルチエージェント技術が果たす二つの役割-社会システムの最適解と可能性の追求」

大堀 耕太郎(株式会社富士通研究所 知識情報処理研究所,九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所,早稲田大学 社会シミュレーション研究所)

概要:
人間活動を含む複雑性の高い社会システムでは,特定の問題関心のもとで設計した施策が多数の人々に対して不利益を与えるケースがある。そこで,多様な人々の心理や行動を深く理解し,あらゆる問題関与者にとって公平で納得感のある施策を設計する必要がある。社会システムの施策決定プロセスにおいて,マルチエージェント技術は主に二つの役割を果たす。一つは,ある指標においてシステム全体を最適にするための施策代替案を導出すること,もう一つは,施策代替案の下で生じるシステム変化の可能性を理解することである。本講演では,実社会におけるマルチエージェント技術の研究事例を通して,これら両役割の関係性を明らかにし,望ましい施策設計に向けた社会システムへの接近方法について述べる。


17:00 – 17:05 閉会のご挨拶


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