第61回 人工知能セミナー(2010.10.7)ヘルスケア ~予防・医療・介護の立場から


主催: (社)人工知能学会
日時: 2010年10月7日(木) 9:45-17:15
会場: キャンパスイノベーションセンタ(東京田町)2F 多目的室2
照会先: account@ai-gakkai.or.jp
定員: 60名 (定員になり次第,締め切らせて頂きます)
参加費: 会員 9,000円(賛助会員の社員の方も含みます)
非会員 13,000円,学生会員 2,000円,学生非会員 3,000円

概要

 本セミナーではヘルスケアに関する現状を包括的に知ることを目的として,予防・医療・介護の研究開発,ビジネスに従事している方々,企業で医療機器およびシステムの開発・製造に携わる方々からご講演いただきます.

プログラム

9:45-9:50 開会の挨拶


9:50-11:00 認知症予防を目的とする共想法の開発-ほのぼの研究所における共同研究の取り組み

大武美保子(東京大学人工物工学研究センター)

概要:共想法は,テーマを決めて,写真などの素材と共に話題を持ち寄り,時間を決めて話し手と聞き手が交互に会話し,想いを共有する手法である.高齢者の認知症予防を目的として,2006年に話題提供者が考案した.共想法では,事前にテーマに沿って写真と話題を準備することと,時間を区切り順序を決めることで,会話の得手不得手によらず,参加者全員ができるだけ均等に,1) 話す,2) 聞く,3) 質問する,4) 答える機会が得られる.2007年には,高齢者と産官学が連携して共想法を研究する研究拠点ほのぼの研究所を設立し,2008年にNPO法人化した.本講演では,ほのぼの研究所における高齢者との共同研究について紹介する.


11:00-12:10 事例分析に基づいたモチベーションマネジメント技術の開発と保健指導システムへの応用

伴秀行(株式会社日立製作所中央研究所)

概要:健康増進の取組みは,何ら不自由のない現在のライフスタイルを,将来の疾病 発症を予見して自ら抑制していくものであり,困難な問題への挑戦である. 我々は,過去事例の蓄積と分析により,どうすればライフスタイル改善に成功 するかという知識を構築し,その結果を保健指導に役立てるモチベーションマ ネジメント技術の開発に取組んでいる.今回,開発技術の概要と,平均体重 4.5kg減少,メタボリックシンドローム解消率73%という非常に高い効果を有する減量プログラム「はらすまダイエット」への適用についてご報告する.


12:10-13:30 昼食休憩


13:30-14:40 医用画像診断システムと臨床アプリケーション

山形仁(東芝メディカルシステムズ株式会社)

概要:ヘルスケアにおいて罹患の予防策や罹患後の治療計画を考える上で不可視情報である体内の形態,あるいは機能を表す医用画像は最も分かりやすい道標の一つである.本講演では医用画像診断システムを世の中に出している企業の立場から,医用画像の撮像法を含む画像処理・表示に関わる主要な臨床アプリケーションを臓器疾患の切り口で解説する.例えば,虚血性心疾患における診断フローから見たX線CTなどの役割を述べ,それらの撮像画像を適切に観察するための3次元画像表示や画像処理による分析結果の提示を担う臨床アプリケーションを説明する.また,左記の多くの医用情報を活用し的確な診断を支援する医用ITシステムについても解説する.


14:40-15:50 救急医療現場における工学的サポートの重要性について

阪本雄一郎(佐賀大学医学部救命救急センター)

概要:救急医療の現場はまさに時間との勝負である.一方,1人の人間が一定時間に確認,対処し得る仕事量には限界がある.ここで,工学的な技術を救急医療の現場に組み込めば時間短縮の点からあらゆる可能性が有るものと考えられる.我々は佐賀県における救急クラウド構想を進めているのでこの点について述べる.また,救急医療体制を構築する上で診療の質の評価を行うことは極めて重要である.我々は工学者との連携において救急医療に関する評価を行っている.新たなる統計手法やコンピュータシミュレーションを工学者との連携によって行っている.この医工学連携の成果について述べる.


15:50-16:00 休憩


16:00-17:10 サービス・サイエンスに基づく先端的健康サービスの創造

久野譜也(筑波大学大学院人間総合科学研究科)

概要:我が国は,今後超高齢社会に加えて,人口減社会のダブルパンチを受けることになる.これは,大げさにいえば,我が国は人類未体験社会の入り口に立ったとも言えよう.しかし,残念なことに,入口から次にどこに向かえばよいのか,その道筋が立てられていない.その大きな原因として,超高齢化・人口減社会の克服法が科学的にも解明されていないためである.その解決法としての一方策として,健康づくり,とくに生活習慣病予防や介護予防サービスの拡大が期待される.一方,この期待される効果を得るためには,科学的根拠に基づく,個別の運動や食事プログラムの処方を可能とする体制の構築が求められる.なぜならば,それらのサービスにより,予防効果が認められているためである.さらにこれを普及するにあたって重要なのは,地域によってサービスの授受に関して格差がみられないことである.したがって,ICTを利用した予防型遠隔健康サービスの普及は,我が国の健康づくり戦略において重要なテーマとなる.


17:10-17:15 閉会の挨拶


第61回人工知能セミナー 参加申し込み

定員に達しましたので、参加申込みを締め切りました

人工知能セミナー参加費
正会員・賛助会員 学生会員 学生非会員 非会員
9,000円 2,000円 3,000円 13,000円