第59回 人工知能セミナー(2009.10.27)社会をシミュレーションで見る -エージェント・シミュレーションの最先端-


主催: (社)人工知能学会
日時: 2009年10月27日(火) 13:00-17:25
会場: キャンパスイノベーションセンター 2階 多目的室3 (田町)
照会先: account@ai-gakkai.or.jp
定員: 60名 (定員になり次第締め切らせていただきます)
参加費: 会員 7,500円 (賛助会員の社員の方も含みます)
非会員 11,500円,学生会員 2,000円,学生非会員 3,000円

概要

 人間や組織をエージェントとみなし,社会現象を診るエージェント・ベース・モデリ ング(ABM)とそれに基づくシミュレーション手法が大きな注目を集めています.本 セミナーでは,ABMの理論と実践に詳しい先生方に最近の動向と研究・実践の秘訣を 講演していただきます.
多数の皆様の御参加を心よりお待ちしております.

プログラム

13:00-13:05 開会の挨拶


14:05-15:05 エージェント・シミュレーションへの招待

寺野隆雄 (東京工業大学)

概要:コンピュータで社会現象を分析する方法論は,1960年代から開始され,Cyert の組織モデルや「成長の限界」のシステムダイナミクスモデルなどがよく知られてい ます.エージェント・シミュレーションは,人間や組織をエージェントとみなし,ボ トムアップな方法で社会現象を診る新しい方法論で,社会現象の研究やそれに基づく マーケティング,金融技術の実践などを根底から変革する可能性を秘めています.本 講演では,ABMの基本的な考え方と最近の動向をお伝えします.


14:05-15:05 歴史のシミュレーション 明清時代中国の家系を辿る

倉橋節也 (筑波大学)

概要:エージェント・シミュレーションの適用分野は,従来ならば考えられないよう な分野に広がっています.本講演では,近世中国の家系記録「族譜」をもとに,科挙 合格者を多く輩出したひとつの家系を約500年に渡ってエージェント技術を用いて分 析を行った結果を紹介します.これは,家系ネットワークと個人のプロファイルデー タを用いてエージェント・シミュレーションを実施したものです.その結果,家庭内 における文化資本の伝達と,特定の家族が維持してきた規範システムを発見しました. ABMが歴史学の研究にも貢献できることを示すものです.


15:05-15:20 昼食休憩


15:20-16:20 エージェント・シミュレータ artisocの機能と最近の適用例

坂平文博 (構造計画研究所)

概要:artisoc(アーティソック)は,現在日本でもっとも広く使われているエージェ ント・シミュレータです.その特長は,マウス操作でのエージェントの種類・型の定 義,簡単な言語での行動ルール作成などの多様な入出力形式にあります.artisocは, その前進の「KK- MAS」を含めると,2001年に公開して以来,様々な分野での事例が 蓄積しています.今講演では,artisocの基本的な機能と特長を紹介するとともに, 最近の事例のなかから,交通,防災,マーケティングの分野における事例を紹介する ことで,エージェント・シミュレーションが適用できる事象を理解するための一助と します.


16:20-17:20 エージェント・シミュレータSOARSの現状

出口弘 (東京工業大学)

概要:SOARSは,2000年当初より東工大で研究開発を続けているエージェント・シミュ レータです.その特長は,スポットとロールという概念でモデルを記述するとともに, ビジュアル言語としてコードを直接記述せずにモデルを実装できることにあります. 本講演では,SOARSの基本的な考え方,新しい機能,ならびに使い方を紹介するとと もに,最新の研究事例を紹介します.研究事例には,インフルエンザなどの感染症の 流行に関するモデル,都市空間モデルなど興味深いモデルが含まれます.


<h416:40-16:45 閉会の挨拶


第59回人工知能セミナー 参加申し込み

定員に達しましたので、参加申込みを締め切りました

人工知能セミナー参加費
正会員・賛助会員 学生会員 学生非会員 非会員
7,500円 2,000円 3,000円 11,500円