一般公開企画



今回の全国大会では、一般公開企画として5月24日(水)に、

  1. 公開イベント「RoboCup2017 Nagoya に向けて ― ロボットと共に歩む暮らしを目指して ―」
  2. 公開特別セッション1「NEDO人工知能技術開発の新たな取組~人を豊かにする社会に向けて~」
  3. 公開特別セッション2「深層学習の爆発的普及のために」
  4. 公開特別セッション3「JSTにおける先導的AI研究推進ファンドと若手研究者向け研究支援プログラムACT-Iの紹介」
  5. 公開討論「人工知能学会 倫理委員会」

という5つを開催いたします。
加えて、5月24日(水)の中津良平氏による招待講演「21世紀はどのような時代だろうか」も、特別に一般公開といたします。

一般公開企画のみの参加に関しましては、大会受付で登録していただくことで、無料でご参加いただけます。一般公開企画(公開イベント、公開特別セッション、公開討論)の開催日当日に、大会受付において「一般公開企画に参加する」旨をお申し出いただき、参加登録をお願いいたします。一般公開企画専用の参加証をお渡しします。
ただし、この一般公開企画専用の参加証では、一般公開企画以外のセッションやイベント(基調講演、招待講演(5月24日を除く)、チュートリアル講演、学生企画、一般セッション、オーガナイズドセッション、近未来チャレンジセッション、インタラクティブ発表セッション等)にはご参加いただけません。これらのセッションやイベントにも参加をご希望される場合は、通常の参加登録(有料)をお願いいたします。
なお、通常の参加登録(有料)をされている方は、一般公開企画にもご参加いただけます(当日の大会受付でのお申し出は不要です)。

一般公開企画のみの参加者については、会場の混雑度合いによっては入場いただける人数を制限させていただく可能性があります。

チラシのダウンロードはこちら

1.公開イベント

5月24日(水) 11:00~17:30

ウインクあいち 8F 展示場(Q会場)

「RoboCup2017 Nagoya に向けて ― ロボットと共に歩む暮らしを目指して ―」

(NPO法人)ロボカップ日本委員会

1997年に名古屋で産声をあげたRoboCupが20年の年月を経て名古屋に戻ってきます。RoboCupは、ロボット工学と人工知能の融合、発展のために自律移動ロボットによるサッカーを題材として日本の研究者らによって提唱されました。西暦2050年「サッカーの世界チャンピオンチームに勝てる、自律型ロボットのチームを作る」という夢に向かって人工知能やロボット工学などの研究を推進し、様々な分野の基礎技術として波及させることを目的としたランドマーク・プロジェクトです。サッカーだけでなく、大規模災害へのロボットの応用としてレスキュー、次世代の技術の担い手を育てるジュニアなどへと広がりを見せ、近年ではキッチンやリビングルームでの作業を、ロボットがいかに人間と共に作業を遂行できるかを競うロボカップ@ホームが注目されています。高齢化や女性の社会進出を背景として、家庭や公共空間におけるロボットソリューションへの期待が高まっています。一方で、日本では技術および経験知は豊富に蓄積されていますが、ロボットを介して人間を支援するソリューションは十分に提供されていないのが現状です。本イベントでは、ロボットと共に歩む暮らしを目指す、家庭用ホームサービスロボットのデモンストレーションを行います。

[ご参考]
http://www.robocup2017.org/ ロボカップ2017名古屋大会
http://www.robocupathome.org/ ロボカップ@ホーム

ロボカップ@ホーム(2016年)の実施風景

2.公開特別セッション1

5月24日(水) 9:30~11:10

ウインクあいち 大ホール(A会場)

「NEDO人工知能技術開発の新たな取組 ~人を豊かにする社会に向けて~」

NEDOでは、現在の人工知能・ロボット関連技術の延長線上に留まらない革新的な要素技術の研究開発を狙いとして、人間を超越する又は人間に匹敵する人工知能、センサ、アクチュエータ等を新たな技術シーズとして研究開発し、これまで人工知能・ロボットの導入について考えもつかなかった分野での新たな需要の創出や我が国が強みを有する分野との融合による産業競争力の強化につなげていくことを目指す「次世代人工知能・ロボット中核技術開発」を実施しております。本セッションでは、「次世代人工知能・ロボット中核技術開発」の事業概要と、本事業に関連して人工知能技術の社会実装における新たな取組についてご紹介いたします。

  • NEDOからご挨拶
    関根 久 氏(NEDO ロボット・AI部)
  • 「人を超えるゲームAIが拓く未来」
    伊藤 毅志 氏(電気通信大学 情報理工学研究科)
    今年、5月20日には、将棋電王戦でコンピュータ将棋が名人と対戦し、5月23日から、AlphaGoがトッププロ棋士・柯潔との対戦を発表しています。多くのゲームAIが人間を超えるレベルを実現してきましたが、本講演では、その達成した技術の概要をまとめます。そして、オセロ、バックギャモン、チェスといった既に人間を超えたゲームAIが、実際にどのように人間と関わるようになってきたのかを紹介します。ゲームAIで起こったことは、これから人間を超える知的システムが世の中に増えてきた時の多くの示唆を含んでいます。これらを概観して、来る2045年問題に向けての課題について問題提起をします。
  • 「自律移動型ロボット開発ベンチャーと大企業の連携~AIによる新たなロボットサービス:SEQSENSE社とTIS社の事例~」
    黒田 洋司 氏(SEQSENSE株式会社 Co-Founder, CTO)、
    佐伯 純 氏(TIS株式会社 AIサービス事業部 AIサービス企画開発部 主査)
    SEQSENSEは明治大学理工学部の黒田洋司教授らによる2016年10月創業のロボット開発ベンチャーです。同社とTISによるオープンイノベーションの取組を双方の立場から紹介して頂きます。
  • 「大学及び研究者向けビジネスプラン研修プログラム(NEDO TCP&No Maps)のお知らせ」
    吉岡 恒 氏(NEDO イノベーション推進部)
    NEDOは研究開発型ベンチャーの起業を志す大学・研究機関等の研究者を対象に、ビジネスプラン作成のための研修とその発表機会(ピッチ)を提供するプログラムを実施しており、その参加者募集のお知らせです。
  • 「NEDO講座をはじめとした人材育成事業の紹介」
    福田 有里 氏(NEDO ロボット・AI部)
  • 「実技審査を伴うコンテスト方式の「次世代人工知能・ロボット中核技術開発」公募説明」
    葛馬 弘史 氏(NEDO ロボット・AI部)

3.公開特別セッション2

5月24日(水) 13:50~15:30

ウインクあいち 大ホール(A会場)

「深層学習の爆発的普及のために」

深層学習が、IoT、ビッグデータの可能性に多彩な光を当てています。本セッションでは、深層学習の更なる普及加速に向けて、深層学習を簡単に使いこなした具体例、深層学習の学習済モデルの再利用など、モデルが開くビジネスの未来、そして、深層学習をより早く、安価に利用できる最新のインフラ事情など、深層学習の最新の動きについて、各界のリーダからご紹介します。

[Agenda]

  • オープニング:麻生 英樹 氏(産業技術総合研究所 情報・人間工学領域 人工知能研究センター 副センター長)
  • 講演1.「Deep Learningの活用のための学習工場の構想」
    松尾 豊 氏(東京大学)
    Deep Learningは今後、製造業をはじめとする多くの産業に大きな影響を与えると考えられる。眼をもった機械という新しいカテゴリの製品群が今後、さまざまな産業領域で作られることになるが、それを国内で早期に実現していくためには、眼の部分を作るための工場、「学習工場」を作る必要がある。本講演では、こうした構想の概要と、実現するための方法について述べる。
  • 講演2.「ディープラーニングアプリの可能性~自動着色アプリPaintsChainer開発の経験から」
    米辻 泰山 氏(プリファードネットワークス)
    研究分野で進歩の著しいディープラーニングだが、応用アプリケーションの持つ潜在力が高まってきている。
    PaintsChainerは生成モデルを利用したwebサービスであり、インプット/アウトプットがほぼそのままニューラルネットワークに直結されている。構造的に非常にシンプルでありながら、多くのユーザに高い評価を得ることができた。
    ディープラーニングを使って既存のアプリケーションの一部を置き換えるだけでなく、単体の新しいアプリケーションとしての可能性にも期待したい。
  • 講演3.「深層学習を支えるP2P分散学習ネットワーク構想」
    清水 亮 氏(株式会社UEI)
  • 講演4.「人工知能研究を爆発的に加速するエコシステム構想」
    萩島 功一 氏(産業技術総合研究所)
    高性能な計算資源、豊富な学習用データセット、多様な学習モデル、これらが自由自在に使え、研究者がオープンに研究成果を発表し合い、お互いの研究成果を活用して、さらに学術研究を加速するような環境。「知の循環」を生み出す人工知能研究のエコシステムを産総研は作ろうとしている。
  • パネルディスカッション
    「Deep Learning の Low Hanging Fruits をどう取るか」

    モデレータ

    • 丸山 宏 氏(プリファードネットワークス)

    パネリスト

    • 松尾 豊 氏(東京大学)
    • 米辻 泰山 氏(プリファードネットワークス)
    • 清水 亮 氏(株式会社UEI)
    • 萩島 功一氏(産業技術総合研究所)
  • 司会:杉村 領一 氏(産業技術総合研究所)

4.公開特別セッション3

5月24日(水) 15:50~17:30

ウインクあいち 大ホール(A会場)

「JSTにおける先導的AI研究推進ファンドと若手研究者向け研究支援プログラムACT-Iの紹介」

国が目指す社会の姿「Society 5.0/超スマート社会」の実現に向けてAI技術への期待は大きく、AI技術分野への大型研究投資が組まれています。特にアカデミア向けの重点ファンドとして知られるのが、科学技術振興機構JSTのプログラムです。本セッションでは、現在公募中のプログラム(CREST、さきがけ、ACT-I、RISTEX)の全体像、および、特に若手研究者向け研究支援プログラムとして昨年からスタートしたACT-Iの狙いや研究事例を中心に紹介します。
ACT-Iは大学院修士学生から35歳未満の研究者が応募可能です!
若手研究者による積極的なチャレンジをお待ちしています!

[ご参考]
ACT-I:
https://www.jst.go.jp/kisoken/act-i/research_area/ongoing/bunyah28-1.html/
JSTの戦略的創造研究推進事業:
https://www.jst.go.jp/kisoken/index.html

[Agenda]

  • 司会:山口 高平 氏(慶應義塾大学 教授)
  • 科学技術振興機構JSTのプログラム(公募中)の紹介:
    • 「社会技術研究開発センターのRISTEXのご紹介」
      茅 明子 氏(社会技術研究開発センター アソシエートフェロー)
    • 「戦略研究推進部のCREST、さきがけ、ACT-Iのご紹介」
      松尾 浩司 氏(戦略研究推進部ICTグループ 調査役)
  • ACI-Iの狙いと研究事例:
    • 後藤 真孝 氏(産業技術総合研究所 首席研究員、ACT-I「情報と未来」研究総括)

    ACT-I採択研究者(五十音順)

    • 青木 裕一 氏(東北大学)
    • 小田 昌宏 氏(名古屋大学)
    • 小林 亮太 氏(国立情報学研究所)
    • 馬場 雪乃 氏(京都大学)
    • 矢内 直人 氏(大阪大学)
  • 文部科学省からの期待:栗原 潔 氏(文部科学省 研究振興局情報担当 専門官)

5.公開討論

5月24日(水) 17:50~19:30

ウインクあいち 大ホール(A会場)

「人工知能学会 倫理委員会」

人工知能学会倫理委員会は2017年2月に「倫理指針」を公開しました。
海外では2016年12月、「人工知能および自律システムの倫理的配慮に関するIEEEグローバル・イニシアティブ」が“Ethically Aligned Design(倫理的に配慮されたデザイン)”のバージョン1を公開するなど、国内外で様々な議論が展開されています。
2017年度の倫理委員会公開討論では人工知能学会倫理委員会の「倫理指針」について学会員、学会員外からのフィードバックを得るほか、”Ethically Aligned Design”等の制定に関わったゲストをお招きし、人工知能の倫理ガイドラインで扱う課題等について議論を行います。

話題提供者:松尾 豊 氏(東京大学)、Danit Gal(北京大学、Tencent、IEEE)、ほか

[ご参考]
人工知能学会倫理委員会のホームページ
http://ai-elsi.org/