人工知能学会論文誌と英文ジャーナルNGC(New Generation Computing)との連携企画開始のお知らせ


昨今の学会を取り巻く状況は,加速する国際化の流れに伴い研究業績としての論文におきましても,英語論文の価値が高くなりつつあります.研究会や全国大会など,論文化される前段階での研究発表は,日本語での発表と議論の方が深く議論できるなど有意義ですが,論文として業績を公開する段階においては,より多くの人が読み,参照される英語での業績化が好ましいと言えます.
そこで,この度人工知能学会(JSAI)は,英文ジャーナルでありますNGC(New Generation Computing)と新しい試みを開始しました.人工知能学会に投稿された日本語論文を通常通り日本語で査読を行い,採録に値する論文であると判定された論文を,著者にて英訳し,英語論文としてNGCに引き継ぎ,NGCにて再度査読を行い,NGCから英語論文として業績化させる制度です.
著者にとって,最初の論文執筆から人工知能学会としての採録レベル判定までを日本語で行うことから,通常通りの内容の濃い査読審査が維持されつつ,採録レベルに到達している判定が出た段階で,安心して英訳しNGCにて採録となれば最終的に英語論文として業績化できるというメリットがあります.
さらに,研究成果を日本語で公開することも極めて重要であることから,NGCから英語論文として公開された論文におきましても,その日本語版はこれまで通り,人工知能学会論文誌(J-stage)にて公開されます.その際,論文の冒頭に,「この論文のオリジナルはNGCに掲載された論文である」旨が記載され二重掲載ではないことが明記されます.
ただし,最終的にNGCにて業績化される論文の著作権はNGCが持つことになりますのでNGCにて採録となった論文は人工知能学会論文賞候補からは外れることになりますが,NGCとして公開される英語論文にも,その論文が最初に人工知能学会に投稿され,人工知能学会としての査読をパスした履歴が記載されますので,人工知能学会にて査読された論文であることが明記されます.
なお,本企画は当面の間,論文特集に投稿された論文のみに対して適用することとなります.著者の方々にはこの制度を大いに利用いただき英語論文での業績化にご活用いけだけますと幸いです.